FISH 法による特異的染色


 FISH:目的とする配列に相補となる DNA に蛍光色素をつけて,細胞などにハイブリダイゼーションして,目的配列が存在する部分を特異的に染色する方法。

images/fish_concept_100.jpg
FISH 法


 ラビリンチュラ類に特異的な配列を 18S rRNA 遺伝子内に見いだして,特異的なプローブを設計した。

images/fish_probe_seq_100.jpg
特異的プローブと様々な生物の相当する領域の配列との比較


 FISH を行った結果,ラビリンチュラ類だけを染める方法を確立することができた。

images/fish_uni_probe_w_euglena_75.jpg 
ポジティブ・コントロールとして,ラビリンチュラ類とミドリムシ類が混在する培養サンプルを対象に,ほとんどの真核生物が染色されるプローブを用いて FISH を行った。

images/fish_specific_w_euglena_75.jpg 
ラビリンチュラ類とミドリムシ類が混在する培養サンプルを対象に,ラビリンチュラ類に特異的なプローブを用いて FISH を行った。

images/fish_specific_sea_sample_100.jpg 
河口域の落ち葉や泥などをゆすいだ環境サンプルを対象に,ラビリンチュラ類に特異的なプローブを用いて FISH を行った結果,ラビリンチュラ類と思われる細胞だけが蛍光している様子が観察された。


Takao Y, Tomaru Y, Nagasaki K, Sasakura Y, Yokoyama R, Honda D. (2007) Fluorescence in situ hybridization using 18S rRNAtargeted probe for specific detection of thraustochytrids (Labyrinthulomycetes).  Plankton & Benthos Research 2: 91-97.